2023年度海外実習(フランス、オーストリア、スイス)を実施しました
9月16日から23日にかけて、海外実習を行いました。
初日はフランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)Cadarache site 、併設する国際熱核融合実験炉 (ITER)を見学し、さらにIAEAモナコ環境研究所を訪問しました。
ITERにて建設中のトカマク炉
研究員の上野さんから、人類初の核融合実験炉を実現しようとするこのプロジェクトは世界7極35カ国で行う地球上最大の奇跡のようなプロジェクトであると伺うとともに、国際プロジェクトならではの苦労話も聞くことができました。
続いて、IAEAのSeibersdorf研究所とIAEA Vienna International Centreを訪問しました。
原子力の平和利用として、気候変動やマイクロプラスチック、農業分野への応用など幅広い研究について紹介いただきました。また、IAEAでは途上国の研究所などに装置を寄贈し、研究員の育成にも努めていることをお伺いしました。
スイスでは、地層処分の研究施設であるモンテリ地下研究所とグリムゼルテストサイト、長期環境モニタリングサイトであるAlptal水文観測サイトを訪問しました。グリムゼルのテストサイトでは、実際に放射性核種を用いたトレーサー実験が行われています。地層処分地の最終選定が完了している同国ですが、世界的な重要課題である地層処分の研究施設は維持して国際共同研究が続けられています。
道中の夜行列車では、予約と異なるシートに案内されたり大幅に遅延したりと大小のトラブルに見舞われつつ、現地の先生方と積極的にディスカッションしている学生たちの姿も見れ、とても有意義な実習となりました。ご協力いただいたみなさま、ありがとうございました。